概要
VMware ESXi上で稼働するWindows仮想マシンを、Citrix XenServer環境へ移行(V2V: Virtual-to-Virtual)する際の手順とトラブルシューティングを解説します。
単純にディスクイメージを移行するだけでは、ストレージコントローラーのドライバ不一致により、移行後の初回起動時にブルースクリーン(BSOD)が発生し起動できません。本記事では、この問題を回避するための事前準備を含めた移行フローを共有します。
10年以上前の記事ですが、ノウハウは2026年でも通用しますので記事を再構成して掲載します。
検証環境
- 移行元: VMware ESXi 4.1 Update 2
- 移行先: Citrix XenServer 6.2
- 対象VM: Windows Server 2008 R2
- 使用ツール: イメージバックアップソフト(例:Acronis Backup & Recovery)、またはエクスポート/インポート機能
移行の壁(BSODの原因)
- ESXi: 仮想ディスク接続に「SAS(LSI SAS 3000)」コントローラーを使用。
- XenServer: 仮想ディスク接続に「パラレルSCSI」コントローラーを使用。
Windows OS内に「パラレルSCSI」用のドライバがインストールされていない状態でXenServerへ移行すると、OSがシステムディスクを認識できず起動に失敗します。 そのため、移行前のESXi環境で、予めパラレルSCSIドライバをOSに認識させておく必要があります。
移行手順
1. 【重要】移行元での事前準備(ドライバ導入)
VMware上の対象仮想マシンが稼働している状態で、以下の手順を実施し、パラレルSCSIドライバをインストールします。
- ダミーディスクの追加:
- 仮想マシンの設定編集を開き、新規ハードディスク(容量は1GB程度で可)を追加します。
- 仮想デバイスノード:
SCSI(1:0)を選択します(重要:既存の0:xとは別系統にします)。
- コントローラータイプの変更:
- 追加されたSCSIコントローラーのタイプを「LSI Logic SAS」から「LSI Logic パラレル」に変更します。
- ドライバの認識:
- 設定を適用すると、Windows OS側で新しいハードウェアが検出され、自動的にパラレルSCSI用のドライバがインストールされます。
- デバイスマネージャー等でドライバが正常に組み込まれたことを確認します。
- ※追加したダミーディスクは、ドライバ導入が目的のため、この後削除しても構いません(移行データに含めない設定でも可)。
2. 環境のクリーンアップ
移行トラブルを防ぐため、以下の設定を行います。
- ネットワーク設定: 固定IPを使用している場合、移行先でNIC変更に伴い設定が消える/競合する可能性があるため、DHCP(自動取得)に戻しておきます。
- VMware Toolsの削除: 移行先では不要であり、不具合の原因になるためアンインストールします。
3. イメージバックアップと復元
バックアップソフト(Acronis等)やOVFエクスポート機能を使用して、仮想マシンの移行を行います。
- バックアップ: 移行元VMのシステムイメージを取得します。
- 移行先VM作成: XenServer上で新規VMを作成します(CPU・メモリは元環境に合わせる)。
- リストア: 取得したイメージを、XenServer上のVMへリストアします。
- ※ネットワーク越しよりも、同じホスト内に配置したファイルサーバー(ISOや仮想ディスク)経由でリストアすると高速です。
4. 移行後の処理
- 初回起動: 手順1でパラレルSCSIドライバを導入済みであれば、問題なくWindowsが起動します。
- XenServer Tools導入: 起動後、必ずXenServer Tools(PVドライバ)をインストールします。
- 事後設定: IPアドレスの再設定や、ライセンス認証(ハードウェア構成変更により再認証が必要になる場合あり)を行います。


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